2010年10月21日
中学生くらいの男の子が、
もう一人の男の子に、
殴りかかり、蹴りつけ、
そこを通る数人の大人は、素通りしていた。
・
私が近づくと、
・
無抵抗で防御をしていた子は、
何も言わずに去り、
・
引き止めてもいないのに、
殴っていた子が
その場に残った。
・
手をつかんでいたわけでもないのに、
その子は私の話を聞いた。
・
彼は、時々道行く人に目をやった。
道行く人は、
・
私達に目もくれなかった。
・
「誰かに痛いことしそうになったら、深呼吸しなさい」
彼に、そう言った。
「誰かに痛いことしたら、あなたの中に悪いものが溜まるから、やめなさい」
彼に、そう言った。
・
辛いことは何もない、と、彼は言った。
「キレちゃって」と、
彼は、顔をゆがめることなく言った。
・
私ばかりが
ことばを紡いだ。
・
何が彼に届くんだろう。
何を彼にできるんだろう。
・
何もできない。
・
彼に、幸せになってほしいと思う。
・
もし将来、あなたのお子様が、
人に痛いことをしてしまっても、
責めないでください。
・
なぜそうなったのか、
どうしたらそうならなかったのか、
・
やってしまった痛いことの根っこには、
全然関係ないと思えるような、
だけどその子が心底つらいと思っている出来事が
必ずあります。
・
「それは、やってはいけない」と、そう、冷静に伝えた後は、
「あなたを愛しているから、一緒に責任をとりましょう」と抱きしめてあげて、
痛いことをしてしまった相手に謝罪をして、
・
それからその子の心の闇に、寄り添ってあげてください。
・
明かりはこちらにある、と、
導いてあげてください。
・
決して投げ出さないで。
決して責めないで。
・
根気強く、「あなたを愛している」と、
伝えてください。
・
それを伝えられるのは、身近にいる人だけの特権です。
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